kawaseoh 戦略ロジック解説

「2013年版 為替王の勝ち組投資マニュアル」を USDJPY に実装した検証システム

このプロジェクトは何か

kawaseoh は、為替トレードのノウハウ本「2013年版 為替王の勝ち組投資マニュアル」 に書かれた手法を、現代の USDJPY (米ドル/円) で本当に通用するか BT (バックテスト) で検証し、 PASS したものを実弾で運用候補にする sandbox プロジェクトです。

18 年分 (2008-2026) の日足データで複数手法を検証した結果、 「秘伝チャート (P&F) + マクロ filter」 の組合せが BT 期間で +¥720k のリターンを示し、現在は paper trading (実弾なし) で観察中。

「paper trading」とは? 実際にお金を動かさず、シグナルだけ記録して「もし運用したらどうなったか」を追跡する仮想運用。 BT の数字が live でも同じく出るかの検証フェーズ。

Phase 進捗

採用された戦略の中身

1. 秘伝チャート (Point & Figure)

「秘伝チャート」は為替王本の中核手法。Point & Figure (P&F) という米国先物市場発祥の チャート技法を体系化したもの。

仕組み: 価格が「box_size (例: 0.95 円)」分動くたびに ▲ or ▼ を 1 個追加。 逆方向に 3 box (= 約 2.85 円) 動いたら列を切替。これでノイズ (細かい上下動) を無視して、 本当に意味のある trend だけを抽出する。

シグナル: ▲ 列が前の ▲ 列の高値を上抜けたら BUY、 ▼ 列が前の ▼ 列の安値を下抜けたら SELL

現在採用: box_size = 0.7% × 期間平均価格 ≈ 0.95 円、reversal = 3 box

2. マクロ filter

P&F のシグナルだけでは「だまし」も多い (median PF 1.16)。そこで マクロ環境 で signal を絞り込む:

両方が成立 したときだけ P&F の BUY signal を採用、それ以外は skip。

この filter で BT median PF が 1.16 → 1.98 (+71%)、 total PnL +¥431k → +¥720k (+68%)、max drawdown も 27% 削減と劇的に改善。

3. long_only モード

USDJPY は 2008-2026 の 18 年間で円安トレンドが支配的だったため、SHORT (売り) は ほぼ break-even。SHORT を完全に止めて LONG (買い) だけ取ると、 DD が 1/3 に削減 (¥37k → ¥14k)、Sharpe ratio が 24% 改善。

shadow mode の安全弁

BT で期待した PF と live (paper) の PF が乖離したとき、自動で entry を抑制する仕組み。 cron 起動時に毎日 check:

shadow mode 中は signal だけ記録、entry は実行しない。 「signal は生成し続けるがポジションは取らない」というリハビリ期間。

哲学的背景: 為替王本 P.81「連敗で苦しい時のリハビリ」を システム化したもの。1-2 回の勝ちで取り返そうと焦らず、しばらく観察に徹する。

tail-risk 判定と MAE 公理

sister project (ProofQuant の crypto perpetual) では「MAE 早期 exit」(entry 後 N 時間以内に X% 逆行したら即決済) が PF を +75% 改善。kawaseoh で同じことを試したら逆に悪化した。

違いの原因は tail-risk profile:

新公理: 「MAE 早期 exit が edge になるのは tail-risk unbounded な戦略のみ。 bounded SL で worst が小さい戦略では winners-to-be を切るデメリットが上回る」。

関連プロジェクトとの連携

kawaseoh は単独でなく、3 プロジェクトと相互学習中:

判定基準と撤退ライン

事前に文書化された PASS/FAIL/撤退ライン:

このシステムは何をしないか